日本舞踊・着物所作研修レポート|日本酒文化を世界に発信する、2022 Miss SAKE Japanファイナリストの皆様に
皆さまこんにちは。
昭島市や福生市で日本舞踊教室を開いております、藤間美都也(ふじまみつや)です。
日本舞踊をやりたい!という方が、気軽に始められるお稽古場をモットーに活動させていただいています。
一般社団法人 Miss SAKE様(以下、Miss SAKE)とのご縁をいただき、石川酒造株式会社様(以下、石川酒造)にて、2022 Miss SAKE Japanのファイナリストの皆さんに日本舞踊体験講座をさせていただきました。この記事ではその様子をご紹介します。
お稽古を通じて日本舞踊の文化と楽しさを感じていただき、最後にはサプライズで、一般のお客様に三味線の生演奏にて「さくらさくら」を披露する機会にも恵まれました。青空の下、美しい振袖で舞われた皆様の姿は圧巻の美しさでした!写真と動画を記事の後半に載せましたので、ぜひご覧ください。
Miss Sake Japanとは?
Miss SAKEは、日本酒を中心とした日本文化を国内外に発信するアンバサダーを各県から選出。アンバサダーは日々、発信活動をしながら、年に一度、京都で行われるMiss SAKE Japanグランプリを決める最終選考会を目指します。2022 Miss SAKE Japanファイナリストの皆様が、Miss SAKE Japanに相応しい教養を身につけるための「ナデシコプログラム」という特別講座を受講されます。
そのナデシコプログラムの今年の開催場所は、東京都福生市の老舗酒造である石川酒造様です。
石川酒造様には日頃から、私のお教室のお稽古場所として素敵なお蔵(国の登録有形文化財!)を貸していただいています。

>お稽古場について詳しくはこちら「国登録有形文化財のお稽古場(石川酒造)をご紹介!」
そのご縁でMiss SAKE代表理事でいらっしゃいます大西美香様よりお声掛けいただき、ファイナリストの皆様に日本舞踊体験をさせていただく運びとなりました。
日本酒、日本文化を国内外に発信なさる皆様に日本舞踊の魅力をお伝えできる事は身に余る光栄です。日本舞踊を体験し、その文化と楽しさをお伝えすることを軸に、お稽古を組み立ました。
2022 Miss SAKE Japanファイナリスト 日本舞踊・着物所作研修の様子
ナデシコプログラム当日は、前日までの雨が嘘のような眩しい日差しに溢れていました。

9:00 石川酒造へ到着。
事務局長の中村信次郎様、2021 Miss SAKE Japanの松崎未侑様のお二人にお迎えいただきまして、ナデシコプログラムの講座の準備へと進みました。
講座開始の10:00前になると、華やかな振袖姿のファイナリストの方々が蔵にお越しになりました。皆さま、なんと振袖、帯、和装のまとめ髪もご自分でなさっておいででした。前日の着付けの講座の際に練習なさった成果がしっかり出ていました。短い時間で素晴らしいことです。

皆さまがお互いの着付けをお直ししたり、確認なさっている姿が可愛らしかった事を覚えています。そこから、同じ目的のために集まったライバル同士でもありますが、日本酒や日本文化を学ぶために集まった、切磋琢磨できる仲間でもある、という絆を感じました。

10:00 開始
時間通りに講座がスタート。まずは私の自己紹介。出身や日本舞踊教室を始めたきっかけなどをご紹介させていただきました。
10:15 実技
今回は二時間という時間の中で日本舞踊を体験していただかなくてはなりません。あまりたくさん詰め込むわけにはいかないので
・正座でのお辞儀・立ち座り
・着物での歩き方
これらを、重点的にお稽古しました。

「着物姿を美しく見せる」ことも日本舞踊の所作で大事なことです。着物は世界に誇る日本の伝統衣装であり、文化でもあります。美しい所作は、その人の魅力も高めます。着物の長い袂の踊りでの扱いや歩き方などが、今後のアンバサダー活動において、着物で人前に出られる皆様のお役に立ちますように、とご指導させていただきました。

ファイナリストの皆さまはとても熱心な方々がお揃いです。草履の脱ぎ履きや着物の裾の扱いや、ちょっとした際のお辞儀の仕方など、疑問に感じることを積極的に質問なさっていました。そのやる気に応えるべく、気持ちもご指導も熱が入りました。
11:20 「さくらさくら」振付

この日の大本命は「さくらさくら」を踊る!これをやらずには終われません。
「吉野の桜の木々に囲まれ、美しい景色の中を舞う」イメージをお伝えしながら振り入れを行いました。着物が美しく、何より踊られる皆さんが華やかに見えるように気をつけました。
初めての日本舞踊は、本当に大変だったと思います。大変短い時間の中でしたが、一生懸命にお稽古に取り組んでいただけました。

そして「日本舞踊を三味線の演奏で踊る」ということをぜひ体験していただきたかったので、講座の仕上げに私の三味線での弾き唄いで踊っていただきました。
普段からお教室に体験にいらした方にも、三味線生演奏つきで「さくらさくら」を踊るプランをご用意しており、ファイナリストの皆様にも三味線演奏にて「さくらさくら」を踊っていただきました。
三味線を弾きます、とお伝えしたところ、皆さんから嬉しそうな声があがり、私も俄然ノリノリです。
あっという間に体験の時間が過ぎ、最後に皆さまに結びのお話をさせていただき講座が終わりました。
「好きなものを続ける」ことの大切さ、そして続けてきた結果、自分に自信がついていく、というお話をさせていただきました。
今、私が自分を褒めるところがあるとすれば「お稽古を続けてきたこと」に他なりません。
日本舞踊、長唄三味線、長唄のお稽古を続けてきたことでたくさんのご縁が広がりました。この日の講座も、「好きなものを続け」た結果、いただいたすばらしいご縁です。
何かをじっくり続けること、丁寧に取り組んでいくことは、日本酒作りも日本舞踊も同じ。そんな思いがファイナリストの皆様に伝わったなら、何よりだと思います。
12:00 サプライズミニ発表会

さて、講座が無事に終わり、新蔵の外で皆様と記念撮影をしましたが、講座終わり間近に私が心の中で考えていたことがあります。
「このまま終わるのはもったいない。頑張ってお稽古した皆さんの成果をたくさんの方に見ていただきたい。蔵の中ではなく、青空の下で、酒造のお客様にも見ていただけないだろうか?だって、お天気もいいし。振袖が素敵だし、皆さん輝いてるし!」
そこで、中村事務局長様、石川酒造の石川彌八郎社長にご相談したところ、急遽、石川酒造の広場で、「さくらさくら」を披露させていただける運びとなったのです!
それを聞いた皆さんの嬉しそうな顔(o^^o) ちょうどお昼時です。石川酒造にいらしたお客様へのサプライズにもなりました。
青空と、振袖のお嬢さん方、老舗酒造の景観、日本舞踊に三味線の音色が見事に繋がったひとときでした。ズラリと並んだ振袖姿のまた素晴らしいこと。圧巻の美しさでした。ぜひ動画もご覧になってください。
思いがけずお声かけいただき実現しました今回のナデシコプログラムの講座。優勝を目指してプログラムに取り組むファイナリストの皆さんに、日本舞踊をお伝えできて大変光栄な一日でした。
日本酒を、日本文化をつなげていくファイナリストの皆さんの中に、日本舞踊の楽しさが少しでも伝わりましたなら嬉しいですし、私自身が本当に楽しく過ごさせていただきました。
こういった形で日本舞踊をお伝えできましたご縁に感謝しております。
2022 Miss SAKE Japan 最終選考会は2022年7月4日(月)だそうです。どなたが選ばれてもおかしくないくらい、ファイナリストの皆さんの真摯な姿勢に刺激を受けました。
最終選考会を迎えるまで、これからもナデシコプログラムは続きます。ファイナリストの皆さんの活動を応援させていただきたいと思います。
この度は、本当にありがとうございました。

ナデシコプログラムでも行なった、三味線での「さくらさくら」体験は、皆様にも受講していただけます。くわしくは体験レッスンご案内ページをご覧ください(内容や時間は一部異なります)。
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☆お世話になった皆様☆
●石川酒造株式会社様
追伸:講座の感想をいただきました!
嬉しいことに、講座を受けてくださったみなさまから、ブログやSNSなどで感想をいただきました。その一部をご紹介します。
Miss SAKE公式サイトBlogにてご紹介いただきました
一部を抜粋してご紹介します。
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今回講師をしてくださった藤間身美都也(ふじまみつや)様は、凛とした美しい佇まいの中に可愛らしさが滲み出ていらっしゃる方。
美しい所作を教えてくださる時に印象に残ったのが、「こういう動きをした方が可愛いよね!」というお言葉。美しさだけでなく、可愛らしさが自然と出てくることでより周りの人に愛していただける存在になれるのだということを教えていただきました。
また、講義内で教えて頂いたことで2つ心に残ったことがあります。
1、続けることが大切。
藤間身美都也(ふじまみつや)様が一番長く続けていることはお稽古。『日常の生活でどうしても時間が捻出できないなど数々の試練を掻い潜り、今日まで続けてきました。“長く続けることを大切に、自信を持ってください。』というお言葉が心に響きました。
2、好きなことは誰にどんな風に言われても続けること。
私も現在酒匠(SSI認定)の資格を生かして週に1回、岡山県の日本酒を仕入れから提供まで行う形で飲食の現場に立たせてもらっています。
私の好きなことは日本酒を通して人を笑顔にすること。どんなに忙しくても、信念をもち好きなことを続けていきたいと思います。
引用:2022 Miss SAKE 岡山 安藤恵 / 第5回ナデシコプログラムレポート
>2022 Miss SAKE 岡山 安藤恵 / 第5回ナデシコプログラムレポート
>2022 Miss SAKE 京都 大国桜 / 第5回ナデシコプログラムレポート
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2022 Miss SAKE 滋賀 磯部里紗様
まずは着物での座り方、お辞儀の仕方、立ち方、歩き方から教えて頂きました。このような基本動作が、日本舞踊のベースとなります。先生が日本舞踊を披露してくださいましたが、どこを切り取っても大変美しく、一つ一つの所作の美しさがとても大事であることを感じました。
先生は、日本舞踊だけでなく、三味線や長唄もなさっています。これまでずっとお稽古を続けていらっしゃって、お稽古において大事なことは、「楽しみながら続けること、続けていれば自信に繋がるから」、と仰っていました。自分を顧みると、自信を持てないことはまだまだ沢山あります。でも、先生のお言葉を受けて、「続けること」が自信に繋がるのだと改めて感じました。
また、海外の方と会う際には、着物で行くと、自分のことを大事にもてなしてくれていると思われ、大変喜んでもらえるというお話も伺いました。自分の楽しみに着るだけでなく、相手の方のことを考えて着物を着て行く、というのも日本人らしいおもてなしで大変素敵に感じます。私はこれから仕事で海外に行く機会も増えるので、実践できるように準備して参ります。
2022 Miss SAKE 兵庫|清洲 理子様
私はまだ、自分らしさと「大和撫子らしさ」の掛け算に答えを出すことができていません。しかし、今回の藤間美都也様の日本舞踊のお稽古を通して、『大和撫子に必要とされるのは美しい所作であり、その美しさは向上心を持つ人であれば誰でも身につけることができる』ということを学びました。
外見の美しさは先天的であるのに対し、内面の美しさは後天的です。つまり、意識や心の持ち方で内面の美しさは何歳になっても磨くことができる。また、求められている大和撫子像に応えるだけではなく、私が大和撫子に求める要素を意識することが大切だと感じました。求められるものに応えるだけでは、自分の個性を失うことにも繋がりかねません。しっかりと自分の芯を強く持つことで、それを軸にしなやかな女性となり、求められるものにも無理なく答えられるのではないかと考えます。
2022 Miss SAKE 秋田|長澤果奈様
日本舞踊体験稽古を通して『学びに対する姿勢』をご教授いただくとともに、仲間達と助け合うことの大切さについても考えを深める機会となりました。
今回の日本舞踊体験稽古では、『さくらさくら』の曲に合わせた踊りをご指導いただきました。袖の扱いや美しい体の使い方を学びつつも、曲の情景を思い浮かべながら振袖を纏い表現できる幸せを、日本舞踊を通して体感いたしました。
最後は外に出て、桜の木の下で踊らせていただきましたが、とても気持ちよく楽しんで踊ることができ、学舎へ帰る道中も心が躍っていました。
藤間様には、お稽古の中でこんなお話をしていただきました。「お稽古は “楽しむもの” です。お稽古に行く、お稽古から帰る、その道中も楽しむことが大切だと思います。」楽しんで学ぶことはもちろん大切なことですが、そこに向かう道中や帰路も考えているか。改めて自分に問いかけるべきだと感じました。
2022 Miss SAKE 愛媛 今井愛弓(ᴀʏᴜ🌴sᴀᴋᴇ)様
立つ・座るという基本から、おじぎ、立ち姿で膝を少しまげること、歩く際に頭の位置を動かさないこと…など基本を中心に教えていただきました。振袖を着ているときの所作は普段とは異なる点が多いのですが、素敵に見えるように勉強したいと思います。藤間様の講義部分で最も印象的だったのが、
「自国の衣装を着て会うことで、相手にもてなす気持ちが伝わる。相手を敬う、大切にすることにつながる。」というお言葉です。
着るものをTPOに合わせる、といったことは考える機会が多かったのですが、相手へのおもてなしという意味合いや季節などもふまえて今後は日々の服も選んでまいります!藤間様の舞や三味線の生演奏もいただき、講義での学び以上にとても素敵な時間でした。
2022 MissSake 北海道 今原ゆきの
なでしこプログラム5日目は藤間流勘右衛門派 藤間美都也先生(@mitsuya_hirota )ご指導のもと、日本舞踊体験講座でした👘
まずは、この日お召しになっていた藤柄の帯と藤間流の紋付の色無地のお着物について…美都也先生がなぜこのお着物を選ばれたかというと
「これから皆さんはMissSakeとして、一生懸命お勉強なさって大事なことを成し遂げていく方々なので、礼を尽くさなければいけないと思いました。」
という、大変有難いお心ゆえでした。
お着物は着て楽しむこともそうですが、相手を想ってお着物の格を考えたり、敬意を表現することができます。美都也先生のお背中にある一つ紋の存在が、その空間までもを格上げして下さったように感じ、身の引き締まる思いが致しました✨
この後は美しいご挨拶の仕方から、和服での所作や注意点、日本舞踊の特別な動きについてご指導いただきました🙇♀️
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すてきな感想ありがとうございます。みなさん、これからもがんばってください!
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